ダイアナ・ヘンドリー著、田中薫子訳『魔法使いの卵』(2001年、徳間書店)


一人前の魔法使いになるための試験を間近に控えた少年スカリーと一家のお話。魔法使いになる人間とフツウ人間が存在している世界なので、スカリーの一家が魔法使いであることは、他のみんなには秘密——ということで、色々苦労しています。本当は結構大きなものが背後にあるストーリーなのだけれど、そういうものを感じさせないストーリーです。そもそも長さ(というか短さ)が長さなのであっというまに読めるし、読後感も爽やか。忙しい日常のひとやすみ、というのにぴったりな感じです。


佐竹美保さんの挿絵がストーリーに合っていて、それも楽しめます。特に、なんとなく頼りない感じのするスカリーがかわいい! 学校の成績が芳しくないためにスカリーの「お守り(おそらく原書タイトルにもなっている"minder")」としてやってきたモニカが、謎めいているけれど「かっこいい」感じで、私にもこんな人がついていればなあ、などと思ってしまいました。


今年もシュトーレンを作りました。プレゼントしたい人がたくさんいて、いつもは参考にしている本のレシピの2倍量なのですが、今回はさらにパワーアップして4倍量になりました(材料の使用量は、前回書いたレシピを倍にして考えてください)。どうしても焼き時間は長くなりますが、他の手間(生地を混ぜるとか)はさほど変わらないように感じました。ただ、生地はかなり重たく感じます。高校のときに骨折した小指が、寒さと生地の重さで痛くなるくらいです(普段でも、寒いと痛むのですが)。


バニラシュガーも高価なので購入を諦め、またまたグラニュー糖にバニラエッセンスを振りかけたもので代用。次回はバニラ棒をグラニュー糖に入れて、香りを移したものにしようかと思います。


以前から実行していますが、手抜きの方法も慣れてきました。発酵は暖かいところで短時間、ではなく、わざと寒いところに置いて、時間をかけて発酵させることにしました。短時間で作ってしまいたい人にはすすめられませんが、ほかの事をしながらシュトーレンが作れます。寝る前に生地をこねておいて、寝ている間に発酵させるということも可能です。これは普通のパン作りでも使えます。記憶が定かではないのですが、こうやって時間をかけて発酵させると、しっかりした生地になるらしいです。


スパイスは、今年はジンジャーパウダーを追加しましたが、どれくらい味が変わったかは不明です。意外と香りが飛んでしまうので(スパイスが古いし……)、考えた以上にたっぷり入れても問題はないのかもしれません。作り方は昨年詳しく説明しているので、今年は写真の紹介がメインです。


焼く前のシュトーレン 33KB

これは、オーブンに入れる前のシュトーレンです。フィリングがたっぷり入っているのが見えるでしょうか? こういう状態だし、生地はバターたっぷりなので、焼きはじめて15分ほど経過したら、アルミホイルを上からかぶせます。そうしないと、表面は黒焦げ、レーズンは炭になります。私は適当にレシピをアレンジしているので、本格的なものは赤や緑のチェリーは入っていませんし、オレンジピールやレモンピールももっと少なくて、そのぶんレーズンがたっぷり入っています。私は好きなのでくるみも入れますが、本来はアーモンドだけです。


シュトーレンが焼きあがったところ 50KB

暗いですが、これが焼きあがったシュトーレンを並べたところです。バターをとにかくたーっぷりと塗って、(自称)バニラシュガーをふりかけたところです。私は何でもボウルの中ですませてしまうので、生地を分割するのも目分量でちぎっては丸め……という状態でした。そうしたら、2つに分けた生地(1つの容器に入りきらなかったので)の1つを8等分するはずが、なぜか9等分していました。実は途中で「1つ多かった」と減らしたのですが、それでもまだ多かったのです。私は何を考えていたのでしょう。結果、もらわれる先が1ヶ所増えました。とにかく、冷ましたら仕上げです。


シュトーレン完成品 32KB

ずらりと並んでいるのが、2001年に作ったシュトーレンです。これは冷めてから粉糖をたっぷりふって、ラップフィルムで包んだところ(だからフラッシュで反射しています)。サイズの参考になるように、右下には文庫本を置いてみました。右側にやや大きめのものが6つ、左に小さめのものが9つあります。


送った相手もみなさん喜んでくださって、作った甲斐がありました(押し付けがましいですが)。我が家が最後のシュトーレンを食べたのは、年が明けた1月の始めでした。作成してから20日以上経過していましたが、気温の低い廊下に置いていたこともあって、全く問題なく食べられました。日が経つと生地がなじんでしっとりするらしく、できたてでは(私の技術では)不可能だった薄切りもできました。


本当はもっと写真を撮影していたのですが、フラッシュを使わなかったので暗い画像になり、ボツになったものが数多くあります。次回はもっと製作過程をご紹介したいです。


ルイス・キャロル著、脇明子訳『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』(いずれも2000年、岩波少年文庫)


2冊まとめての感想です。「翻訳は難しかっただろうなあ」というのが、まず頭に浮かびました。訳者あとがきにも、韻を踏むように詩を作ったりしたと書いてあります。これもペーパーバックを一緒に購入したので、ちゃんと読んでみないと……と思っています。ディズニーのアニメは、この2冊をぎゅっとまとめて1つのお話にした、という感じです。


「不思議の国のアリス」は、本来即興で作った物語ということで、「勢い」を感じます。一方で「鏡の国のアリス」は、それからだいぶ後になって書かれたということと、アリスとルイス・キャロルの関係の変化もあって、明るい中にも不思議な静かさが感じられます。特に、白の騎士の出てくる部分は、ものがなしさみたいなものも感じられます。美しい過去を懐かしむという雰囲気です。


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